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PRは検索数の制約を解く魔法の手段。ベクトルグループCOO長谷川氏に訊く、キーマケM&Aの狙い/未踏市場への挑戦【後編】

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こんにちは、採用広報の海老原です。

2022 年12 月、キーワードマーケティングは、アジア No. 1 の PR 会社である株式会社ベクトルにグループジョインしました。

今回は、前回の滝井インタビュー記事 に続き「未踏市場への挑戦」の後編として、株式会社ベクトル 取締役副社長 グループ COO の長谷川創さんにインタビューを実施しました。

インタビューにはキーワードマーケティング代表取締役の滝井も同席し、長谷川さんが M & A を行う際に考えていたことや、これからキーワードマーケティングと実現していきたいことを深堀りしましたので、ぜひ最後までご覧ください。

ベクトルについて

アジア No, 1の PR 会社

―― まず、読者の皆さま向けにベクトルのご紹介をお願いします。

長谷川さん

ベクトルは 1993 年に創業し、2014 年には東京証券取引所の市場第 1 部(現在はプライム市場)に上場しました。アジア各国に拠点を持つ、アジア No. 1 の PR 会社です。

PR の概念を拡張しながら、様々な領域において新規事業を展開。40 社以上の子会社を傘下にグループシナジーを生み出しながら、クライアント企業の課題解決と事業成長に伴走しています。

PRの浸透と共に事業を拡大

―― ベクトル代表取締役会長兼社長の西江さんと共に創業期を経験した長谷川さんですが、どのように事業を拡大してきたのでしょうか?

長谷川さん

始めは企業から単発で請け負うセールスプロモーションの事業をしていて、PR に取り組み始めたのは 2000 年ごろからです。

創業から順調に業績を伸ばしていましたが、 2008 年のリーマンショックがさらに追い風となりました。つまり、広告に予算を割けなくなった企業が、テレビ CM 等への出稿を抑制し、PRに注目し始めたんです。

いくら不景気でも企業は事業を止めることはできませんからね。このリーマンショックを機に、ニュースを創ってメディア等に取り上げてもらうという PR の考え方が世の中に広まっていきました。

ベクトルはそれを広報予算領域ではなく、より大きな規模の宣伝・マーケティング予算領域で展開できる「戦略PR」としてサービス提供することで、さらに事業を拡大させました。

アジアマーケットへの進出

―― 長谷川さんは上海の拠点の立ち上げを担当されましたよね。印象に残っていることはありますか?

長谷川さん

vector’s Rock 」(ベクトルの 14 個の共通価値観)の「シンプル」にも通じますが、日本に比べ、中国のビジネスパーソンはシンプルに仕事を進める人が多いと感じました。

日本で仕事をしていたときは気が付かなかったのですが、日本は意思決定までの過程を複雑にするクセがあると思っています。

それに比べると中国は意思決定までの過程はシンプルで、かなりギャップを感じました。スピード感があり、新しいものを取り入れることにも積極的なので、コミュニケーションサービス自体も日本の先を行っていたと思います。

実はその時の中国で目の当たりにしたのが、PR とデジタルの融合なんですね。PR でニュースを創って、デジタルで広めるという手法の原型は、ベクトル上海支社立ち上げをきっかけに実施した最新のコミュニケーション戦術でした。

ベクトルの文化について

“ビジョナリーカンパニー“

―― 滝井さんからみたベクトルの文化はどのようなものですか?

滝井

僕が思うに、ベクトルはモノを広めるという理念に基づいて拡大してきた、ビジョナリーカンパニーですよね。

PR 事業以外にも、インフルエンサーマーケティングやタクシー広告、さらには EC 事業や D2C 支援の事業など多岐にわたる事業領域があるベクトルですが、「いいモノを世の中に広め人々を幸せに」というビジョンが中心にあることに気づくと、なんでもかんでも手を出しているわけではないことがよくわかります。

また、「 vector’s Rock 」の中に「波にのること」「トータルでビューティフル」がありますが、この辺りは創業者の西江さんの哲学がよく現れていて、社員全員にも自然に落とし込まれているように見えます。

画像引用元:https://vectorinc.co.jp/company/vision

長谷川さん

ありがとうございます。周囲からはなぜか成果重視の営業色の強い会社だと思われがちなんですけどね(笑)。

滝井

実はベクトルジョイン後、多くの経営者の友人から「ベクトルに入って大丈夫ですか?」と心配するメッセージをよくもらっていました(笑)。

売上や利益をあげるために必死で、毎日遅くまで誰かが詰められてるみたいなイメージを持っていたようです。

でも、ジョインして確信しましたが、ベクトルはそんなイメージとは真逆の会社で、仲間の意思をとても尊重し、大切にしてくれる会社だと感じています。

M & A の背景について

広告業界の「 FAST COMPANY 」

―― ベクトルはデジタルマーケティング領域を中心とした M & A を加速させていますが、その背景にはどのような目的があるのでしょうか?

長谷川さん

ベクトルは「モノを広める FAST COMPANY 」というコンセプトを掲げ、認知領域から獲得領域までをワンストップで行う、低コストでスピーディなサービスを提供しています。

ベクトル 2024年2月期第1四半期決算説明資料 より

「FAST COMPANY」のさらなる実現のため、私はグループ COO として「 ベクトルデジタル 」構想を推進し、PR を起点にデジタル広告を活用して、効率的にモノを広める仕組みを構築しています。

PR はその特性上、客観的な情報として広めるのが得意なので、一方通行的な広告よりも接触の質が高くなります。「質が高い情報接触」の次には、「質の高い検索行動」がある。

この検索結果に、PR戦略と連動したデジタル広告を当てることによって、最終的な購買行動に良い影響が生まれると考えています。

デジタルマーケティング領域を中心とした M & A を加速させているのもそのためです。

滝井

始めから M & A でベクトルデジタル構想を実現しようと考えていたのでしょうか。

長谷川さん

元々内製で作るのが好きな会社なので、デジタルマーケティングのチームの組閣も当初は内製で進めていたのですが、採用にかなり苦戦しまして。

しばらくして気が付きましたが、デジタルマーケティングを専門にしている人は、やはり専門会社に行くんですよね。なので、それに気づいてからは M & A の方向で進めています。

“キーワードマーケティングは元々知っていた“

―― グループジョイン前のキーワードマーケティングにはどのような印象を持っていましたか?

長谷川さん

社内に M & A 候補のリストがあるんですけど、そのリストの上位にキーワードマーケティングの名前もありましたね。売上だったり、自走できる組織体制だったり、多方面から評価が高かったです。

ただ、私自身もキーワードマーケティングのことは元々知っていて、黎明期からリスティング広告を研究して、広めてきた会社という印象だったので、ぜひベクトルデジタル構想に参画してほしいと考えていました。

―― 滝井と初めて会ったときのことについて教えてください。

長谷川さん

初めからガツガツいかないようにしていました。

周囲から滝井さんについて話を聞いていて、まずはベクトルやベクトルの課題を知ってもらうことから始めました。もし最初からガツガツいっていたら断られていたと思います(笑)。

滝井

私は、最初にベクトルからそういう話が来たと聞いた時、ベクトルグループの子会社からのお話しだと思ったんです。でもよく話を聞いてみると、ベクトル本体からと聞いてすごく驚きました(笑)。

キーワードマーケティング ジョイン後について

広告は”コスト”ではなく、”獲得の手段”

―― キーワードマーケティングがグループジョインしてから、ベクトル社内ではどのような変化がありましたか?

長谷川さん

ベクトルは 元々がPR の会社なので、当初広告そのものに対してネガティブな見方をしている人もいました。メディアやインフルエンサーに取り上げてもらう低単価なPRに対して、広告は”高コストな認知獲得手段”という考えが強かったんですよね。

でも、瀧沢さん(キーワードマーケティング 取締役COO/広告事業部長)に、ベクトル社員に対して運用型広告の事例を紹介してもらって、キーワードマーケティングが運用する広告はそういった”高コストな認知獲得手段”ではなく、”費用対効果の高い獲得の手段”だと理解してもらえました。

事例ベースで紹介してもらったことで「この事例のようなことがしたい!」とシンプルに運用型広告の良さを感じてもらえたんだと思います。

―― キーワードマーケティングの動きはどのように見えていますか?

長谷川さん

キーワードマーケティングがうちに入ってから 8 か月くらいですが、想定より早くからシナジーを生んでもらっていると感じます。

だいたい 2年くらいかかると思っていたので、ずいぶん前倒しです。

長谷川さんがM&Aで大切にしている考え方

グループジョイン前の方が良かったと思われないために

―― 長谷川さんが M & A を行う際に重視していることはなんですか?

長谷川さん

一番はやはり、ジョインしてくれた企業の社員を不幸にしないことです。

「グループジョインしない時の方が良かった」とキーワードマーケティングの社員に思われないようにしたいですね。

ベクトルグループにジョインしてもらうことが、お相手の社員全員の「やる気スイッチ」を押せているか?というポイントがとても重要だと思っていますし、その大義を、しっかり発信していかなければと思っています。

また、感覚的な話にはなりますが、カルチャーマッチの観点から、代表やメンバーが今のベクトルのオフィスにいても違和感がないかも重視しています。お互いが同じ空間を共有した時に違和感がないこと、まるでずっとそこにいたかのような感覚の組織なら、カルチャーの融合も含めてうまくいくと思います。

―― 滝井さんもグループジョイン前にベクトルのオフィスは見学しましたか?

滝井

はい。確かあの時ちょうど PR のイベントが行われていて、オフィスの中に記者会見用のスペースがあるんだと驚きました。

あと、PRって黒子の仕事なので、ベクトルの HP のようにシンプルで落ち着いた印象を持っていたのですが、実際に来てみると予想以上の華やかさに圧倒されましたね。

ジョインする会社に求めるのは2つだけ

―― 長谷川さんはジョインする会社にどのようなことを求めていますか?

長谷川さん

私からお願いしているのは 2 つです。

1 つは、期初に合意して立てた事業計画を期末に達成することです。もちろんそれが難しい時は、私も一緒にその足りない部分を埋めていこうと考えていきます。

もう 1 つは、他のグループ会社とのシナジーを生むことです。

―― たった2つですか!すごくシンプルですね。

長谷川さん

はい。その他のことについては各社にお任せしています。滝井さんからは、キーマケの良い文化を維持したいという気持ちを特に感じていました。

滝井

そうですね。文化に関しては尊重され過ぎて、少し混乱しているくらいです(笑)。

プライム上場の企業ですから、もちろん粗利や利益の目標を決めた事業計画の達成は求められますが、計画自体も強要されるようなものではなく、一緒に成長するためにつくっていこう、という目線で決定していきました。

また、定期的な進捗報告もしますけど、目標未達の場合は、「どうやったらベクトルアセット(資産)からキーマケの助けになることができるか」ということを常に一緒に考えてもらえます。

管理部門の方々からも「なにかお困りのことはないですか」といつも気にかけてもらっていて、大変ありがたいです。

“PR は検索数の制約を解く魔法の手段“

―― 最後に、これからキーワードマーケティングと実現していきたいことを教えてください。

長谷川さん

かつてのベクトルは、PR に成功しても売り上げ増加や顧客獲得にうまく連動させることができないという課題を持っていました。

以前、ベクトルが PR を行って話題化させたキーワードがあるんですけど、そのキーワードで検索された時に、他社の検索広告が上位表示されてしまい、私たちのお客様の売り上げに 100 % 繋げられなかったことがあったんですよ。

これは、しっかりと検索広告やランディングページを設計しておけば防げたことでした。

なので今後は PR で成功を収めるだけではなく、デジタルマーケティングをしっかりと連動させ、お客様が提供するモノやサービスをエンドユーザーにしっかり体験してもらいたいという想いがあります。

また、前編の記事で滝井さんが語っていた「検索数の制約を解く」という考え方にも共感しています。PR は検索数の制約を解く魔法の手段ですからね。

―― 本日はお話を聞かせてくださりありがとうございました。

「未踏市場への挑戦」前編はこちら

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