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AIオペレーション支援ツールを自社開発。広告運用業務はどう効率化されたのか?

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キーワードマーケティングは、広告運用のオペレーション業務を効率化するため、ChatGPTリリース直後から「AIオペレーション支援ツール」の自社開発をはじめ、2024 年 1 月より社内で利用を開始しています。

今回の記事では「AIオペレーション支援ツール」が実行できる10個の機能紹介や、利用開始から約 1 年が経った現在、どのような効率化が実現されているのか利用者にヒアリングを行った結果を共有します。

また記事後半では、なぜ一般に利用されている生成AIツールではなく、自社で開発する必要があったのかについて、開発者の副島さんにインタビューを実施しましたので、最後までご覧ください。

キーマケの「AIオペレーション支援ツール」とは?

「AIオペレーション支援ツール」のトップ画面

「AIオペレーション支援ツール」は、広告運用のオペレーション業務を効率化する 10 の機能を集約したウェブアプリケーションです。

広告運用のオペレーション業務を専門におこなう九州佐賀支社の技術メンバーが、現場の声を拾いながら開発し、現在も日々アップデートがおこなわれています。

キーマケの「AIオペレーション支援ツール」の10の機能

1.誤字脱字チェック入力されたテキストの誤字脱字をチェックします
2.画像内テキスト抽出画像データ内のテキストを読み取り、テキストで抽出します
3.スプシデータ解析スプレッドシートのデータを読み込み、別途入力した指示にあわせた結果を出力します
4.関数アシスタント入力された関数のチェックと解説をします(Excel 、Google スプレッドシート)
5.画像生成入力されたテキストに合わせた画像を生成します
6.文章要約入力されたテキストを読み取り、要約します
7.AIチャットテキスト入力でAI とチャットができます
8.音声文字起こし音声データを読み取り、テキストで出力します
9.Qiita内の記事検索入力されたテキストで、最適なQiita (エンジニアに関する知識を記録・共有するサービス)の記事を検索します
10.プログラムレビュー入力されたプログラムをチェックします(Google Apps Script 、Python )

利用率の高い4つの機能と活用例

特に利用率の高い 4 つの機能(画像内テキスト抽出、関数アシスタント、音声文字起こし、プログラムレビュー)について、利用しているメンバーの声をご紹介します。

1.画像内テキスト抽出

「画像内テキスト抽出」機能では、アップロードした画像内のテキストを、コピーや検索が可能なテキストデータとして抽出することができます。一度に 50 ファイルまでアップロードが可能です。

セミナーアイキャッチ内のテキストを抽出した例
よっしー
画像内にある文字データをチェックする作業に使っています。

業務上、一度の作業で 100 枚以上チェックすることもあるのですが、ツール利用前は全て目視でチェックしていました。

特にイベント告知バナーは、曜日表記が英語と日本語で混ざっている場合もあるので、確認に時間がかかっていました。

ツールの利用を始めてからは、画面内検索を使って一気に確認できるようになりとても助かっています!

2.関数アシスタント

「関数アシスタント」機能では、Excel や Google スプレッドシート上で利用する関数のチェックや解説を読むことができます。Excel と Googleで利用できる関数が異なるので、それぞれのモード選択が可能です。 

関数アシスタント機能で数式を整理した例
よっしー
この「関数アシスタント」の機能を使うと、その関数を使った数式の解説を見たり、自分がやりたい作業を入力して、数式を生成したりできます

実際の環境で正しく動くかは自分でチェックしなければならないですが、機能名の通りアシスタントとして役立っています。

3.文字起こし機能

「文字起こし機能」では、音声ファイルをアップロードして、音声の文字起こしデータを入手することができます。出力データのダウンロードも可能です。

セミナーの文字起こしをした例
きゃじ
セミナーの録画を文字起こしする作業に使っています。専門的なアルファベットの略語もきちんと出力されるので、精度が高いと感じています。

以前は、10分のデータを文字起こしするのに1時間近くかかっていたという話も聞いたことがあります。句読点や改行など、体裁を整える作業は必要ですが、文字起こしの時間が短縮され、編集作業に時間を使うことができるようになったので、記事の品質向上にも役立っています。

AIによる「文字起こし機能」利用前と利用後の変化

4.プログラムチェック

「プログラムチェック機能」では、自分が書いたコードに問題がないかチェックをすることができます。

コードが動かない原因を特定した例
まえだ
自分で作ったコードに問題がないかチェックしてもらっています。

コード自体が問題なく動いているときのミスは自分では気づきにくいので助かっています。

また、コードを解説してもらうことで改修の手助けになります。ひとり作業時もトライアンドエラーできるので効率が上がりました。

「AIオペレーション支援ツール」の開発の背景

ここからは、「AIオペレーション支援ツール」の開発の背景について、開発者である九州佐賀支社技術チームの副島さんにお話をお聞きします

副島 誠斗(九州佐賀支社 オペレーション リーダー)

2018年9月に中途入社。前職(プログラマー)の経験をいかし、所属している技術チームで社内APIシステムの開発・保守、業務効率化ツールの開発を担当。得意なプログラム言語はVisual BasicとGoogle Apps Script。趣味は5年間継続している休日のランニングと大好物のチョコレートパフェを食べること。神奈川生まれの佐賀育ち。

開発のきっかけは、生成AIの利用が浸透しない理由にあった

―― 「AIオペレーション支援ツール」の開発は、2023 年 3 月頃からと聞いていますが何がきっかけだったのでしょうか。

2022 年 11 月に OpenAI 社が ChatGPT をリリースしてから、 世間的にもAIが話題になり、社内でも活用したいという声を多く聞くようになりました。

それに応えて、社内では「ChatGPT Plus」の利用料を補助する福利厚生が作られたりもしたのですが、情報漏洩に関するリスクを懸念する声や、AIから思うような返答が得られないという意見が挙がったんです。

ChatGPTへ機密情報を入力・アップロードする行為は社内ルールで禁止されている

―― 制度を導入するだけでは、生成AIを業務に活かしてもらうことが難しかったのですね。

はい。ただ一方で、広告運用のオペレーション業務をおこなう私たち九州佐賀支社では「ルーティン業務は業務全体の35%以内にする」という目標があって、この目標を達成するためにも生成AIの活用はマストだと感じたんです。

そこで「どうしたら、みんなが生成AIを業務に取り入れられるか?」それを考え始めたのが、ツール開発の始まりです。

ユーザーの懸念や不満を解消できるツールに

―― 先ほど社員から「情報漏洩に関するリスクを懸念する声」があったとお聞きしましたが、その点はクリアできたのでしょうか?

はい。この声は、生成AIの学習機能によって、入力した情報が第三者への回答に活用されてしまうのではないか?という懸念だと思うのですが、今回開発したツールでは、この学習機能をデフォルトで停止し、学習に利用させないようにしているため安心して使ってもらえます

―― なるほど、もう一点挙がっていた「AIから思うような返答が得られないという声」に関しては、どのように対応しましたか?

10 個の機能は各作業ピンポイントに最適化させていて、回答のクオリティを左右する指示(プロンプト)は開発段階でこちら側で設定しました。

そのため、作業対象のデータを入力するだけで、誰が使っても一定の結果を出してくれるし、毎回プロンプトを書く手間もないです

なので、誰でも簡単に高いクオリティの回答を得ることができます。

―― ひとつずつ、利用者の不安を取り除いていったのですね。その他に内製だからこそ実現できた点はありますか?

それでいうと、ツールを使ってくれるユーザーがすぐ近くにいるので、改善点を拾ってアップデートしていきやすいというメリットもあります。

アップデート情報は専用のチャット部屋でお知らせ

直近では、音声文字起こし機能をアップデートしました。これまでは一部の雑音が特定の文字列として出力されることがあったのですが、それらを補正して、特定の文字列が取り除かれた状態の結果を出力できるようになりました。

これからも、定期的にアンケートを実施するなどしてユーザーの声を積極的に聞きながら、現在ある機能を今後もより使いやすくアップデートしたいと思います。

―― いつも本当に助かっています!引き続きよろしくお願いいたします。

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